第4回課題 訳と解答(Chapter 2, part 3)
範囲:The Wonderful Wizard of Oz (Gutenberg).txt の
373〜460 行目(教科書 pp.13〜15)
1. 全訳
「あの魔女はとても年寄りだったから」と北の魔女は説明しました。「日に当たってすぐに干からびてしまったのよ。あの魔女はこれでおしまい。でも銀の靴はあなたのものよ。履いていいわ。」北の魔女はかがんで靴を拾い上げ、ほこりを振り払ってからドロシーに手渡しました。
「東の魔女は、あの銀の靴をとても自慢にしていました」とマンチキンの一人が言いました。「あの靴には何か魔力がかかっているのですが、それがどんなものなのか、私たちにはとうとう分かりませんでした。」
ドロシーは靴を家の中に運び、テーブルの上に置きました。それからまたマンチキンたちのところへ出てきて言いました。
「私、早くおばさんとおじさんのところに帰りたいの。きっと心配しているはずだから。帰り道を探すのを手伝ってくれない?」
マンチキンたちと魔女は、まず顔を見合わせ、それからドロシーを見て、首を横に振りました。
「東のほう、ここからそう遠くないところに、大きな砂漠があります」と一人が言いました。「そこを渡って生きのびた者はいません。」
「南も同じです」と別の一人が言いました。「私は行って、この目で見てきましたから。南はカドリングの国です。」
「聞いた話では」と三人目の男が言いました。「西も同じだそうです。そして、ウィンキーが住むその国は西の悪い魔女が治めていて、そこを通ったら奴隷にされてしまいますよ。」
「北は私の故郷よ」と老婦人が言いました。「そして、その果てにも、このオズの国を取り囲んでいるのと同じ大砂漠があるの。かわいそうだけど、あなたは私たちと一緒にここで暮らすしかなさそうね。」
これを聞いてドロシーはしくしく泣き出しました。見知らぬ人たちばかりの中で、心細くなったのです。その涙を見て、心の優しいマンチキンたちも悲しくなったようで、すぐにハンカチを取り出して一緒に泣き始めました。小柄な老婦人はというと、帽子を脱いで、そのとがった先を鼻の頭に乗せて立て、おごそかな声で「いち、に、さん」と数えました。すると帽子はたちまち石板に変わり、そこには大きな白いチョークの字でこう書かれていました。
「ドロシーをエメラルドの都に行かせなさい」
老婦人は鼻から石板を取り、書かれた言葉を読むと、「あなたの名前はドロシーというの?」と尋ねました。
「ええ」とドロシーは顔を上げ、涙をふきながら答えました。
「それなら、エメラルドの都へ行かなくてはね。オズが助けてくれるかもしれないわ。」
「その都はどこにあるの?」とドロシーは尋ねました。
「この国のちょうど真ん中よ。さっき話した偉大な魔法使い、オズが治めているの。」
「その人はいい人?」とドロシーは心配そうに尋ねました。
「いい魔法使いよ。人間なのかどうかは分からないわ。一度も会ったことがないから。」
「どうやって行けばいいの?」とドロシーは尋ねました。
「歩いて行くのよ。長い旅になるわ。気持ちのいい土地もあれば、暗くて恐ろしい土地も通ることになる。でも、あなたが危ない目にあわないよう、私の知っているかぎりの魔法を使ってあげる。」
「一緒に来てくれないの?」とドロシーは頼みこむように言いました。この小柄な老婦人を、たった一人の味方だと思い始めていたのです。
「いいえ、それはできないの」と老婦人は答えました。「でも、私のキスをあげましょう。北の魔女にキスされた人を傷つけようとする者なんて、誰もいないわ。」
北の魔女はドロシーに近づき、額にそっとキスをしました。唇が触れたところには丸く光るしるしが残りました。ドロシーがそれに気づいたのは、少しあとのことです。
「エメラルドの都への道は黄色いれんがで舗装されているから」と魔女は言いました。「迷うことはないわ。オズのところに着いても怖がらずに、あなたの身の上を話して、助けてくれるよう頼みなさい。さようなら、かわいい子。」
三人のマンチキンは魔女に深々とおじぎをして、よい旅をと祈ると、木々の間を通って帰っていきました。魔女はドロシーに親しげに小さくうなずくと、左のかかとを軸にくるくると三回まわり、そのまま消えてしまいました。これには小さなトトもびっくりしました。トトは、魔女がそばにいる間は怖くてうなることさえできなかったので、いなくなってから大きな声でほえたてました。
2. 設問の解答
p.13 l.14 but what it is we never know
- 下線部の内容:
itは、直前の some charm connected with them(銀の靴にかかっている何らかの魔力)を指す。 - 訳: 「(あの靴には何か魔力がかかっているのですが、)それがどんな魔力なのか、私たちには分からないのです。」
- 補足: 原文(Gutenberg 版)は we never
knew。この場合は「とうとう分からずじまいでした」と訳す。
what it isは名詞節で、knowの目的語が文頭に出ている。
p.13 下から5行目〜 the Land of Oz のどこにどんな種族が住んでいるか
| 方角 | 住んでいる種族・支配者 | 様子 |
|---|---|---|
| 東 | マンチキン(Munchkins)。東の悪い魔女が支配していたが、ドロシーの家に押しつぶされて死んだ | 今ドロシーがいる国。その先に大砂漠があり、渡れば生きて帰れない |
| 南 | カドリング(Quadlings) | 東と同じく、外側は砂漠 |
| 西 | ウィンキー(Winkies)。西の悪い魔女が支配している | 通ると奴隷にされる。外側は砂漠 |
| 北 | 北の(よい)魔女の故郷 | 北の果てにも同じ大砂漠がある |
| 中央 | エメラルドの都。偉大な魔法使いオズが治めている(p.14) | 黄色いれんがの道が通じている |
オズの国の四方は大砂漠に囲まれているので、ドロシーはどの方角からも外へ出られない。
p.14 l.8 Dorothy began to sob at this, for she felt lonely among all these strange people.
- 下線部の内容:
thisは、直前の会話全体を指す。つまり「東西南北どこも砂漠などで渡れないので、オズの国から出られず、ここで暮らすしかない」と言われたこと。these strange peopleは、マンチキンたちと北の魔女のこと。 - 訳: 「(ここから出られない、ここで暮らすしかないと)言われて、ドロシーはしくしく泣き出した。見知らぬ人ばかりの中で、心細くなったからだ。」
- 補足:
forは理由を後から付け足す接続詞(=because)。
p.14 l.12 As for the little old woman, she took off her cap and balanced the point on the end of her nose.
- 状態の説明: 北の魔女がかぶっていたのは、先が一点に向かってとがった、白い帽子である(p.12 で、高さ1フィートほど、つばに小さな鈴が付いていると描写されている)。魔女はその帽子を脱いで逆さにし、とがった先を自分の鼻の頭に乗せ、手を離して落ちないようにバランスを取っている。皿回しの芸のような、少しこっけいな姿である。この姿勢のまま「いち、に、さん」とおごそかに数えると、帽子が石板に変わる。つまり、これは魔法をかけるための儀式である。
- 訳: 「小柄な老婦人はというと、帽子を脱いで、そのとがった先を鼻の頭に乗せてバランスを取った。」
- 補足:
As for ~は「~はというと」。泣いているマンチキンたちと対比している。
p.15 l.4 Whether he is a man or not I cannot tell, for I have never seen him.
- 訳: 「彼が人間なのかどうか、私には分からないわ。一度も会ったことがないのだから。」
- ポイント:
Whether he is a man or notはtell(=分かる、見分ける)の目的語で、強調のため文頭に出ている(I cannot tell whether he is a man or notの倒置)。直前の Is he a good man? に対して、He is a good Wizard. と答え、manかどうかは分からないと続けている。オズの正体が謎であることを示す伏線になっている。
p.15 下から11行目 Where her lips touched the girl they left a round, shining mark, as Dorothy found out soon after.
- 訳: 「魔女の唇が触れたところには、丸く光るしるしが残った。ドロシーがそれに気づいたのは、少しあとのことだった。」
- ポイント:
Where ~は「~したところに」を表す副詞節で、theyはher lipsを指す。as Dorothy found out soon afterのasは、前の内容全体を受けて「そのことは~だが」と付け加える用法。キスした瞬間には、ドロシーはしるしに気づいていなかった。- このしるしは、直前の魔女のことば(北の魔女にキスされた者には誰も手出しできない)を形にしたものである。
p.15 下から3行目 The witch gave Dorothy a friendly little nod, whirled around on her left heel three times, and straightaway disappeared, much to the surprise of little Toto.
- どんな感じか: 魔女はドロシーに親しげに小さく「じゃあね」とうなずき、左のかかとを軸にして、こまのようにくるくると三回まわった。そして、まわり終えるとその場からぱっと消えた。そばにいたトトはとても驚いた。(魔女がいる間は怖くてうなることさえできなかったトトが、消えたとたんに大声でほえたてる。ドロシーのほうは魔女ならこう消えるだろうと思っていたので、少しも驚かない。)
- 訳: 「魔女はドロシーに親しげに小さくうなずくと、左のかかとでくるりと三回まわり、すぐに消えてしまった。小さなトトはとてもびっくりした。」
- ポイント:
gave ~ a nodはnoddedと同じ意味。「give+動作の名詞」の形で、friendly littleのような形容詞を付けやすい。whirl aroundは「くるくる回る」。much to the surprise of ~は「~がとても驚いたことに」。- 原文の表記は straightway(=すぐに)で、プリントでは straightaway になっている。意味は同じ。
3. Writing Practice
1. のび太が家に帰ると、ドラえもんは消えていた。そして、一つのどら焼き以外は何も残っていなかった。
When Nobita came home, Doraemon had disappeared, and nothing was left but one dorayaki.
- 帰宅した時点では、もう消えていたので過去完了
had disappearedを使う(was goneでも可)。 - 「~以外は何も残っていなかった」は、本文 p.13(371 行目)の
nothing was left but the silver shoes
と同じ形にする。
butは「~以外」という意味の前置詞。 - 別解:When Nobita got home, Doraemon was gone. Nothing was left except a single dorayaki.